PMSと上手く付き合う5つの習慣
目次
PMSとは
PMS(月経前症候群)とは生理がはじまる3~10日ぐらい前から起こる不快な症状で、 身体的なものから精神的症状までさまざまな不調が現れます。 生理がはじまると症状が消えてしまうのもPMSの特徴のひとつです。 症状の原因となっているのは、排卵後に増加してくるプロゲステロンです。 これは本来、妊娠を助けるホルモンなので、子宮内膜を柔らかくしたり 体内に水分や栄養を溜め込んだり、妊婦さんが安静に過ごせるように 眠気をきたすような生理的作用を担っています。 そのため、生理前の時期はからだがむくみやすくなったり、 便秘がちになったり、また体温も上昇したりと、体調が低下しやすいのです。 PMSの症状は更年期の症状と似ていますが、違うものです。 PMSは20~30代女性に多く見られ、生理周期も卵巣機能も正常な人に起こります。PMSの症状
PMSの症状は人によってさまざまです。 また同じ人でも月によって違い、その種類は200以上と言われています。 ♦ココロの症状(精神的症状) □イライラする □泣きたくなる □ぼーっとする □情緒不安定になる □憂鬱な気分になる □集中できない □落ち着かない □身近な人に八つ当たりしてしまう □いつも張り詰めた気持ちになる ♦カラダの症状(身体的症状) □乳房の張り・痛み □肌荒れ・にきび □下腹部の張り □体重の増加 □眠気または不眠 □頭痛・めまい □疲れ・だるさ □腰痛 □むくみ □のぼせ などが代表的なの症状です。PMSになるメカニズム
月経周期が28日の女性の場合、排卵が起きるのはちょうど月経(生理)が始まる14日前です。 排卵を境に、変動するふたつの女性ホルモンが影響して、PMSを引き起しているようです。 ♦卵胞ホルモン(エストロゲン) 乳房や子宮を活発にする・子宮内膜を厚くする・自律神経を整える・皮膚や骨、脳の働きにも関与するなど女性らしさを作るホルモンです。 ♦黄体ホルモン(プロゲステロン) 体内の水分を保持する・妊婦中の状態を安定させる・食欲を促進する・基礎体温を上げる・子宮内膜の厚さを維持して着床しやすくするなど妊婦を助けるホルモンです。なぜ人や月によって症状が様々なのか
黄体期に分泌される女性ホルモンはカラダの中でいろいろな現象を誘発します。 例えば、ホルモンの働きで水分をカラダから排出しにくくなってしまうと、むくみの原因になります。 それが乳房にたまれば乳房の痛みに、頭にたまれば頭痛、また水分がたまると、カラダ全体がだるく感じることもあります。 またホルモンの働きで脳内の「セロトニン」という物質が低下すると、うつ症状やネガティブ思考など気持ちが不安定になります。 さらに、生理前はインスリン(血糖値を下げるホルモン)の効果が低下し血糖値が上がるため、 この上がった血糖値を下げるために普段より多量のインスリンが必要になります。 そのため、食事から2〜3時間後に低血糖を生じやすく、甘いものが食べたくなるなどの症状がでることがあります。 このように、デリケートな女性のカラダが、ホルモン分泌に影響をうけ、 それがその人の体質、体調により200以上もの症状となってあらわれるのです。PMSの症状が重くなる4つの原因
□ストレス 急な環境の変化や仕事や家庭でストレスが溜まり、 ココロが緊張状態になってしまうとPMSの症状も重くなってしまいます。 □自律神経・体力の低下 風邪や病気などの体調不良で免疫力が低下していたり、 自律神経が乱れてしまうとPMSが重くなる原因になってしまいます。 □食生活の乱れ タバコを吸ってお酒も飲む、カフェインたっぷりコーヒー大好きという方や、 糖質の多量摂取、食事の時間が不規則など食生活の乱れがPMSを重くしてしまいます。 □性格 真面目で几帳面で完璧主義。 自分に厳しくすぐに他人と比べてしまったり追い詰めてしまう方は要注意です。 女性ホルモンが乱れてしまいPMSの症状が出やすくなります。PMSと上手く付き合うポイント
PMSの症状を緩和させるためには、ライフスタイルの改善が1番です。①バランスの良い食事をする
食事のとり方に問題があると、体重増加、むくみ、乳房痛などが起こる原因となり、 PMSの症状を悪化させる可能性があるので注意しましょう。 ◎PMS時に積極的に摂りたい7つの食材 ・サーモン サーモンはビタミンDの優秀な供給源で、うつ症状や炎症を緩和し、PMSの症状も軽減します。 ・卵 卵に含まれる動物性タンパク質には、セロトニンの前駆体で、 気分を安定させるのに役立つトリプトファンも含まれています。 ・色の濃い葉物野菜 コラード、ケール、ホウレン草には、抗炎症作用のある栄養素がたっぷり含まれています。 脳の健康、気分の調節、快眠をサポートし、筋けいれんを和らげるマグネシウムだけでなく、 カルシウム、食物繊維、ビタミンBも含まれている。 ビタミンBを多く摂取する女性はPMSの症状が少ないという研究結果もあります。 ・くるみ ナッツには、消化機能を調節する食物繊維、炎症を落ち着かせる一価不飽和脂肪、 食後の満足感を与えてくれるタンパク質がぎっしり含まれています。 ナッツ類の中でもクルミを食べれば、オメガ3も摂取できます。 ・生姜 生姜には、消化促進作用、免疫力向上作用、抗炎症作用があるので、 生理中にお腹の調子が悪くなる女性には特にオススメです。 ・ダークチョコレート ダークチョコレートに含まれるマグネシウムは、頭痛と筋けいれんを和らげるのに役立ちます。 できるだけ高い効果を得るために、必ずカカオ70%以上のチョコレートを選ぶようにしましょう。 ・ビーツ ビーツには、むくみを解消するカリウムと、筋けいれんを落ち着かせる天然の塩分が詰まっています。 ジュースにしたり、ローストしてサラダに加えるのがオススメです。②アルコール・塩分・カフェインの摂取を控える
アルコール・塩分・カフェインはイライラ・むくみ・緊張感などを高める原因になり、
PMSの症状を悪化させる可能性があるので注意しましょう。
③軽い運動(有酸素運動)をする
有酸素運動はPMSの症状を和らげると言われています。 ♦︎ストレッチ イライラしたり、落ち込んだりしていると体のどこかに力が入ってしまい、 さらに肩コリや腰痛などのPMSの症状を悪化させて、悪循環におちいってしまう場合もあります。 その悪いループから解き放たれるためにも、体をゆっくりとほぐしてあげましょう。 ♦︎ウォーキング 散歩などで外に出て歩くというのは、視覚的にも適度な刺激が加わり、良い気分転換になります。 歩くことで骨盤周りや下半身の筋肉を使うことができるので生理痛の軽減効果もあります。 ♦︎ヨガ ヨガにはホルモンバランスを整えたり、アロマを使って精神を落ち着かせたりと、 PMSの症状改善につながる効果が大いに期待できます。 ♦︎深呼吸 気力がないときは、深呼吸だけでも心がけてみると、頭がすっきりしたりします。 しっかり息を吐ききることで、腹筋も使われます。 目を閉じて、朝起きたら一番に深呼吸をするとリラックスに効果的です。④禁煙する
喫煙(受動喫煙含む)は血行を悪くし、ホルモンバランスを崩してしまいます。⑤PMS日記をつける
PMSの症状をスケジュール帳や日記に書き込んでみましょう。 不快な症状があらわれる時期に気づくので、仕事を調整したり、PMSに対する心構えなど、 自分に合った対処法を見つけることができます。まとめ
生理痛が重い方、生理を憂鬱に感じている方の多くは生理が始まる 1.2週間前からPMSに悩まされています。 普段のライフスタイルを見直してPMSの症状を緩和させることもできます。 生活に差し支えるほどつらいときは、緩和のための治療もいろいろありますので、 我慢しないで、婦人科で相談してみましょう。